Aibetsu Chamber of Commerce and Industry

zukan愛別きのこ図鑑

きのこ

きのこの生産地として名高い愛別町。
そのきのこ生産の歴史は、今から50年前に2戸の農家が
えのきの栽培に取り組んだことから始まりました。
その後、舞茸、生きくらげ、なめことどんどんきのこの生産が広まり、今ではえのきとなめこの生産量が北海道内80%を占め、堂々の道内トップシェアを誇ります。
まさに道内屈指の「きのこの里」の愛別町。
栄養素から生産者の声まで、町が誇るきのこたちをご紹介します。

えのき

Flammulina velutipes

えのき

日本における栽培キノコの生産量で
一番沢山作られているキノコ

鍋物や炒め物など、さまざまな料理で使われる、なくてはならない名脇役、えのき。現在、全国各地で生産されており、生産量は約13万t。その内、北海道生産量の約8割に当たる3500tが愛別町で作られています。そんなえのきにはうれしい栄養素がいっぱい!糖質を体内でエネルギーに変えるビタミンB1、健康維持を助けるビタミンB2、便秘対策に良い食物繊維などが豊富に含まれていることから、ダイエットにも良いといわれています。おいしいえのきの選び方は、軸が太く、全体的にシャキっとハリがあるものがおすすめ。時間が立つとだんだん柔らかくなり、汗をかいてくるので、家で保存するときも気をつけましょう。

農事組合法人下伏古菌茸生産組合

農事組合法人ヒット
代表取締役 宮田さん

現在、愛別産のえのきの全てを生産している、農事組合法人ヒット。
道内シェア率は驚異の80%超えで、「ゆくゆくはシェア率100%にしたい」と宮田さんは野望を語ります。
栽培ではプラスチックの瓶を仕様。培地を空ピンに詰込みし、接種を行い、14℃に設定された室内で培養して、芽出しを行う。そして茎が真っ直ぐになるようフィルムカバーをかけ、6~8℃の部屋で生育させていきます。収穫までは3週間強と成長が早く、ピーク時となる冬には1日16tを出荷しています。宮田さんは「特長がないのが特長」「いつでも同じ味・形のえのきを提供することを心掛けているだけです」と話します。

なめこ

Pholiota microspora

なめこ

道内一の生産量を誇る
つるんとした食感が楽しい優秀食材

なめこの生産量の全国計は約2万4千t。北海道では約1300t作られており、えのき同様、道内シェア率は愛別町がトップを誇ります。
90%以上が水分でできているためカロリーは100g 当たり15kcalと低カロリーですが、栄養価は抜群です。代表的なのが、ぬめりの正体であるムチン。粘りが消化管などの表面を保護し、免疫力アップの効果が見込まれています。他にも、糖質の吸収をゆるやかにするペクチンや、美容効果の高い成分コンドロイチン、二日酔いの原因となるアセトアルデヒドを分解する働きが見込まれるナイアシンなどの成分も含まれています。きのこ界で唯一、脂に溶ける性質の脂溶性ビタミンを一切含んでいないのも特徴です。
選び方のコツは、全体的にツヤがあるものを選ぶと肉厚でおいしいと言われています。カサの大きさには味や栄養素に大きな違いがないそうです。通常、きのこは洗わずに汚れをふき取ると良いと言われていますが、なめこは表面のぬめりで汚れが落ちにくいため、流水で洗うのがおすすめ。栄養素が流出しないよう洗いすぎにはご注意を。

農事組合法人下伏古菌茸生産組合

農事組合法人
下伏古菌茸生産組合
代表理事 中田さん

愛別町きのこのスタートに携わった1人である中田さん。えのき栽培の前から魚箱を用いてなめこの生産も行っていたそうで、昭和55(1980)年に完全になめこへと重点を変え、いまに至ります。3棟の培養所から始まり、平成9(1997)年には大規模な培養センターを設置。新しいシステムをどんどん取り入れて、生産量を増やしていきました。
他のきのこ同様、何よりこだわっているのは温度と湿度。そして芽出しのときの炭酸ガス濃度。カサの大きさが同じになるようしっかりコントロールしながら育成していきます。また、使用しているオガ粉は白樺で、プラスチックの瓶は特注。さらに培地は肥料にリサイクル。「行程も資材も材料も、そのとき一番良いものを取り入れるようにしています」と中田さん。至る所に溢れる中田さんのこだわりが、愛別町のおいしいなめこを生み出してくれています。

まいたけ

Grifola frondosa

まいたけ

風味豊かで、食感の良さが魅力
医食同源との呼び声も高い

舞茸生産量の全国計は約5万1千t。北海道では約2300t生産されており、シェア率は4.5%。風味の強さから、他のきのこと比べると出番が少なくなりがちな舞茸ですが、栄養素は引けを取りません。食物繊維や脂肪分解酵素の成分を豊富に含んでいるので、便秘の解消やダイエットに効果があるとされています。ビタミンDはきのこ界でもトップクラス。カルシウムの吸収を促進する働きがあり、骨の健康を守るうえで欠かせない栄養素です。他にも、むくみ対策や高血圧の予防に欠かせないカリウム、食後の血糖値の上昇を穏やかにするβ-グルカン、抗酸化作用があるポリフェノールなどが含まれており、まさに医食同源の食材。無駄なく栄養素を摂取するためにも、下茹でせずに食べるのがおすすめです。
新鮮な舞茸は、カサの部分が肉厚で、軸が白く光沢があり、弾力のあるものが特長。実はかさの色の違いは光質によるもので、光の刺激によって色が白から茶色へと濃く変化するだけで味に違いはないのだそうです。

農事組合法人タッグ

農事組合法人タッグ
代表理事 野間井さん

平成19(2007)年にそれまで個人で生産していた生産者5名で培養センターを設置、今では1日約2tもの量を生産しています。
「茎が太い舞茸作りを心掛けています。栄養分と香りが高く、歯ごたえが良いのがうちの特長です」と野間井さん。初期は瓶栽培でしたが、「ガッチリとした舞茸を作るためにも土台が大切」と現在はブロック栽培を採用。最も野性種に近いといわれる森産業M52号菌にこだわり、温度・湿度管理に徹底しながら約60日かけて接種から培養、収穫までを行っています。中でも総重量1kg以上ある「ジャンボまいたけ」は肉厚でおいしいと人気商品です。

生きくらげ

Auricularia auricula-judae

生きくらげ

耳のような形をしたきのこ
食物繊維量はゴボウの約3倍

低カロリーの生きくらげの全国生産量は合計約1200t。北海道では37t生産されています。きくらげといえば、従来、主に中国から輸入された乾燥ものがほとんどでしたが、近年は国内自給率が上昇。生きくらげにいたってはほぼ国産のものが販売されるようになりました。
生きくらげには水溶性・不溶性、両方の食物繊維が含まれており、整腸効果が見込める優秀食材。食物繊維は大きく「水溶性」と「不溶性」の2つに分けられ、水溶性は血糖値の上昇を抑え糖尿病や肥満の予防に、不溶性は満腹感が得られ食べ過ぎの予防に効果的だと言われています。他にも、ビタミンD、鉄分やカルシウム、カリウムなど、さまざまなミネラル類も含んでいます。
肉厚で表面に艶があり、色が濃い物を選ぶのがおすすめ。大きさや縮れ具合は味や鮮度には関係ないので、気にする必要はないそうです。稀に表面に付着している白い粉は、カビではなくきくらげの胞子のようです。

しいたけ

Lentinula edodes

しいたけ

1000年以上の歴史あり
「森のダイヤ」と呼ばれたきのこ界の王様

椎茸の生産量の全国計は約7万tで、北海道では約6700tを生産。古事記にも書かれていたほどの歴史ある食材で、その名は「椎の木に育つ茸」という意味で「しいたけ」と名付けられたという説が有力ですが、季節に関係なく収穫できることから「四季茸」と呼ばれ、それがなまったという説もあります。
そんな椎茸は、煮物や炒め物などマルチに活躍してくれますが、栄養素もとっても豊富。特に特長的なのが、エリタデニン。これは血中の悪玉(LDL)コレステロール値を下げる効果があり、血流をスムーズにしてくれるもの。生活習慣病の予防効果が期待できます。このエリタデニンを含むきのこは椎茸とマッシュルームのみで、マッシュルームにはごく少量しか含まれていないため、ほぼ椎茸特有の成分と言えます。他にも、ビタミンB1やB2などのビタミンB群も含み、体の代謝を高めて肌のターンオーバーを整える効果も期待できます。
肉厚でカサがあまり開いていないものが新鮮な証拠。カサの裏側が純白なものも良いようです。

金富農産

金富農産
取締役 岩城さん

お米や野菜などを生産する金富農産の岩城さんが椎茸の栽培を始めたのは約15年前。矢部きのこ園の矢部さんの「やってみないかい?」という後押しがあり挑戦を決めたといいます。農産物の製造が落ち着く冬をメインに椎茸を作っており、農産物と林産物の二刀流で頑張る若き生産者。椎茸の栽培方法は菌床栽培を採用。温度や湿度を適切に管理しながら、3〜4カ月かけて熟成させていきます。「小さな赤ちゃん椎茸がぐんぐん育つ様子は見ていて楽しい」と岩城さん。岩城さんの作った椎茸は、直売所などで出合うことがでます。

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