なめこ
Pholiota microspora
道内一の生産量を誇る
つるんとした食感が楽しい優秀食材
なめこの生産量の全国計は約2万4千t。北海道では約1300t作られており、えのき同様、道内シェア率は愛別町がトップを誇ります。
90%以上が水分でできているためカロリーは100g 当たり15kcalと低カロリーですが、栄養価は抜群です。代表的なのが、ぬめりの正体であるムチン。粘りが消化管などの表面を保護し、免疫力アップの効果が見込まれています。他にも、糖質の吸収をゆるやかにするペクチンや、美容効果の高い成分コンドロイチン、二日酔いの原因となるアセトアルデヒドを分解する働きが見込まれるナイアシンなどの成分も含まれています。きのこ界で唯一、脂に溶ける性質の脂溶性ビタミンを一切含んでいないのも特徴です。
選び方のコツは、全体的にツヤがあるものを選ぶと肉厚でおいしいと言われています。カサの大きさには味や栄養素に大きな違いがないそうです。通常、きのこは洗わずに汚れをふき取ると良いと言われていますが、なめこは表面のぬめりで汚れが落ちにくいため、流水で洗うのがおすすめ。栄養素が流出しないよう洗いすぎにはご注意を。
農事組合法人
下伏古菌茸生産組合
代表理事 中田さん
愛別町きのこのスタートに携わった1人である中田さん。えのき栽培の前から魚箱を用いてなめこの生産も行っていたそうで、昭和55(1980)年に完全になめこへと重点を変え、いまに至ります。3棟の培養所から始まり、平成9(1997)年には大規模な培養センターを設置。新しいシステムをどんどん取り入れて、生産量を増やしていきました。
他のきのこ同様、何よりこだわっているのは温度と湿度。そして芽出しのときの炭酸ガス濃度。カサの大きさが同じになるようしっかりコントロールしながら育成していきます。また、使用しているオガ粉は白樺で、プラスチックの瓶は特注。さらに培地は肥料にリサイクル。「行程も資材も材料も、そのとき一番良いものを取り入れるようにしています」と中田さん。至る所に溢れる中田さんのこだわりが、愛別町のおいしいなめこを生み出してくれています。